はじめに
今回は以下の内容を参照しています。
「Architecture」
https://docs.quicksilver.zone/protocol/architecture
【 翻訳 】
Quicksilver プロトコルは、Cosmos SDKのブロックチェーン(またはゾーン)です。
カスタムモジュールは Quicksilver 固有の機能を追加します。
◆ Quicksilverプロトコルの仕組み
Quicksilver プロトコルは、ユーザーに代わってトークンを Deligate(委任)し、ユーザーの Deligate(委任)をトークン化したもの(ここでは qAsset と呼びます)を鋳造することで、資本効率を高めます。
qAsset は、例えば qATOM や qOSMO のように、オンボードゾーンのネイティブアセットに “q” を付加した形をとります。
qAsset は流動性があり、交換可能であり、Quicksilver ゾーンから IBC Transaction を通じて他の IBC 対応チェーンへ転送が可能です。
qAsset の基礎となる価値は、ネイティブのボンドアセットに加え、鋳造以降に獲得したステーキング報酬から、潜在的なスラッシングを差し引いたものです。
そのため、リスクはほぼ一定に保たれ、報酬は時間の経過とともに増加するため、qAsset の価格設定は、元の保税資産と比較して時間の経過とともに価値が増加すると予想されます。
◆ アーキテクチャーと機能性
Quicksilver の主な機能は、Deligator がリモートチェーンX 上で Deligation を移動させ、Quicksilverプロトコルがそれを制御し、その見返りとしてそのポジションを表すqAssetトークンを発行できるようにすることです。
qAssetトークンは、元のネイティブアセットに対するユーザーの請求権を構成し、さらに時間をかけて獲得した正味の報酬を構成し、償還の時点でバーンしなければなりません。
オンボードされた各チェーンの Interchain Staking Module は、Interchain Account IBC Module を通じて、デポジットアカウントとデリゲーションバケットを生成し、制御します。
デポジットアカウントの目的は、流動性のあるネイティブアセットの譲渡を受け取ることです。
デポジットアカウントへの送金を受け取ると、Quicksilverチェーンの対応するアドレスに、送金されたデリゲーションシェアの価値に応じた qAsset が入金されます。
その後、デリゲーションシェアはデリゲーションバケットに移され、Quicksilver プロトコルが当該デリゲーションに関連する報酬を受け取るように、ネイティブのデリゲーションポジションに還元されます。
各エポック(3日間)が終了すると、デリゲーションバケットは獲得した報酬を換金し、再取得します。
各エポックの境界で、Asset:qAsset のペアの償還率は、新しい報酬を含むように調整されます。
さらに、各エポックでは、デリゲータの希望がチェーン上で適切に反映されるように、デリゲーションバケット間の資金のリバランスが行われます。
MsgRequestRedemption トランザクションをオンチェーンで送信するユーザーによって償還要求が行われると、qAssets はロックされ、対応する数のネイティブアセットのアンボンディング記録が記録されます。
エポックの終わりに、償還要求が集約され、リモートチェーンに提出されます。
Unbonding 期間が終了すると、ロックされたアセットがバーンされ、Unbonding されたネイティブトークンがネイティブチェーンX の Deligator Account に送金されます。
【 自分なりの解釈と理解 】
Quicksilver を利用して Liquid Staking を実行した際のトランザクションを確認すると、特定のアドレスに Asset が転送され、その代わりに qAsset を受け取ります。
上記の説明内の「ユーザーに代わってトークンを Deligate(委任)し」という部分はここから来ていると思われます。
この qAsset 自体は Deligate による Reward では増加しませんが、その代わりに内部で Reward が貯められている状態になります。(Liquid Staking を Unbonding した際に内部で貯められている分も含め受け取れます)
Liquid Staking している Asset は Quicksilver が代わりに Deligate しているだけなので、もちろん CosmosHUB に導入された InterChain Security(ICS)も適用されます。
(2023/08/01 現在 本機能はコードの問題で QCK ステーカーに配分されていますが、これは今後 qATOM ステーカーに配分されるようコードが修正されるとのこと)
このように、 Liquid Staking を行うと、qAsset に対しての内部での価値が常に上昇するようになるため、qATOM の価値は上昇するものと考えられます(今のところ)
また、qAsset は IBC(InterChain Communication) にて各チェーンに対して送信が可能(送信時にガス代として QCK が必要)であるため、別チェーンでの利用が期待されます。
(例えば、qAsset を担保にして別トークンを借りるなど)
これらは現在、順次別チェーンが対応を発表しています。
現在発表されているのは以下のチェーン及びプロジェクトです。
◆ qAsset の使い道 (2023/08/01時点)
・OSMOSIS : 流動性提供報酬
・Secret Network(ShadeProtocol):流動性提供報酬
・Umee : レンディングの担保
最後に、qAsset 内に貯められる Asset についてです。
Quicksilver では Deligate 報酬の反映は3日おきに更新されるようになっています。
このことは以下の公式 HP で確認することが可能です。
URL : https://app.quicksilver.zone/assets
スクリーンショットの部分では矢印の部分の redemption rate が qAsset に対する内部で貯められている Asset の割合を示しています。
(ex. Quicksilver で Liquid Staking して 100qATOM 受け取っており、現在の rr(redemption rate)が1.09だった場合、Unbonding した際には 109 ATOM受け取れることになります)
今回の翻訳は以上です。
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